2019年08月27日

観葉植物男子

乗り換え駅の階段を降り、やって来た急行列車に乗り込む。
ひんやりと冷房の効く除湿された車内の空気にホッと息をつく。
座席が運良く空いていた。腰を下ろし重い荷物を膝の上にのせる。

向かい合う正面の座席には、これまた運良く若いイケメンの男の子。
膝の上に置いたスマホを手のひらでおさえ、イヤホンを耳に瞳を閉じ、うたた寝ている。
これはこれは、なかなか良い絵だ。

白い頬、線細く、薄く小さな唇。
19歳の大学生、あるいは17歳の高校生だろうか。大人になりきっていない少年っぽさが残る。
整った顔立ちに品が香る。これはさぞかしモテるだろう。
そのきれいな唇で何人の女の子を蕩けさせたのか。
チャラチャラと浮ついた雰囲気がまるで無く、汚れなき清浄な空気を身に纏っているが、
女子たちが彼を放っておかないだろう。

自然な黒髪、黒Tシャツ、パンツも黒。
なぜかクロックスだけ赤。

…あらあら、どうしてそんなのを履いてるの?
おばちゃんが良い靴を買ってあげようか?

そのシルバーのネックレスは彼女からのプレゼントかしら。
そんなことを思いながら、彼の首元を見ていると、
ふと薄く目を開けた寝ぼけ眼の彼と目が合った。
…なんとも妖艶。
天使が降り立つ美しい絵画のよう。
一瞬の圧倒的迫力に驚く気持ちを隠し、そっと知らぬ顔で目を伏せた。
次の駅で私は降りる。
美青年はどこへ運ばれていくのか。
posted by める at 18:34| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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