2018年10月28日

NHK「まんぷく」萬平さんの慟哭

NHK連続テレビ小説「まんぷく」
見ごたえのある面白さで毎日、楽しみ。

先週末の話では、疎開先の畑で突然B29の銃撃に遭い、幸いにも難を逃れたものの、
兵役検査にも落とされる我が身の情けなさを嘆いて、萬平さんが激しく慟哭していた。

そのあまりの激しさが圧巻!
静と動を見事に演じる長谷川博己さんが萬平役で本当に良かったなぁとしみじみ思わせてくれた。

そして、もうひとつ。
この慟哭シーンがあって、本当に良かったと思った。
というのも、福子たちは大阪大空襲の三日前に疎開し、戦争なんて無縁のような地域に移ることができたが、
同じくちょうど三日前に学童疎開先の田舎から卒業式のため大阪へ帰って来た小学六年生の子どもたちは3月14日の大阪大空襲で悲惨な目に遭った。
翌日行われるはずだった卒業式は当然なくなった。学校そのものが爆撃で破壊されてなくなっていた。

昭和7〜8年生まれ、今年で85〜86才の方々だ。
そのサバイバーの一人に私の父も含まれる。

12歳の小学生だったその3月の寒い夜、
町中、見渡す限りに火の手が上がった。道のあちこちで人が死んでいる。近所のきれいなお姉さんも逃げ込んだ防空壕に爆弾が落ち、蒸し焼き状態で死んでいた。
家族で必死に逃げ飛び込んだ池の中、冬の水の冷たさに歯の根が合わずガチガチと震えながら死を覚悟したと、父は語ってくれた。
が、話し始めると非常につらい光景がまざまざと眼に浮かび、苦しいようで、あまり思い出したくはない記憶のようだった。

空襲で大阪の街は一面の焼け野原となった。
父や義父らが命からがら、家財の全てを失って歯を食いしばり生きていた同時期、
疎開先でそんなこととは無縁に魚獲りなどに興じる萬平さんや、豊富な食料に喜ぶ福ちゃんの生活ぶりは、正直、私としては
ちょっと心に引っかかるものがあったのだ。
…福ちゃんたちは全然、何も悪くないんだけどね、、

だからこそ、週の最後に銃撃、慟哭のシーンがあったことは
ああ、やっぱりこのドラマは信じられるなぁ…と思ったのだった。

さらに、あの突然の銃撃シーンは私の母が体験し話してくれたことと、ほぼ同じだった。
茨城と埼玉の県境の田舎町に住んでいた母は、当時小学生五年生。
下校し、みんなで歩いているところへ急に戦闘機が飛んできてババババッ!と弾を撃ってきた。
突然のことに驚き、逃げる間もなくその場に伏せた。
飛行機はそのまま飛び去り、恐る恐る周囲を見回すと、女の子が一人、被弾し死んでいた。

誰かを狙ったわけでもなく、遊びのように撃ったようだったと母は話していたが、
実際、作戦を終え空母や基地へ帰還する飛行機は燃料の消費を抑えるため、少しでも機体を軽くしようと積んでいる弾を使ってしまおうとする。
そんな理由で撃たれて死ぬ子もたくさんいた。
それもドラマの中でちゃんと描いてくれたので、私としてはすごく嬉しかったのよね…。

このドラマも母と一緒に見れたらいいのに。
私が学生の頃は見てたんだけどな、「鳩子の海」とか「おしん」も。
今はテレビを見れない母の記憶の分も、ちゃんとすくってもらえたような気がしたのよ。
posted by める at 23:33| Comment(2) | 日記 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
僕も戦争のシーンがそろそろかなと思いながら毎日見ていました。子供たちに引き継いでいく義務が、我々世代には、必要です。

前々の「花子とアン」もそうでしたが、辛い気分になってしまいますが、その分もうこれから、明るい昭和に向けて皆元気になってほしいばかりです。

屋台で旧友に、出会えてよかったね^^
Posted by 同士 at 2018年10月29日 08:36
>同士さん

「まんぷく」、戦前のモダンで華やかな大阪の町の空気も上手く描いていましたよね。
服の胸に書いている住所が、福子実家が東区(ざっくり大阪城近辺)
萬平さんが天王寺区と読めたので、…ああ、これはどちらも空襲で焼けてしまうなぁ…と。
今日の回で、やはり一帯が焼け野原になってしまっていましたね…

悲しいしつらいけど、こういうところもきちんと見せていかないと物語全体がしゃんとしなくなっちゃうもんね。
疎開してたから無事で良かったーってだけじゃ絶対にないんだもん。

でも過度に重くし過ぎず、層を作ることで厚みが出るような造りのドラマ。
15分間のドラマだけど絶妙な起伏が毎回あって、味が濃いですよね~!

屋台のラーメン、二人で一杯の素ラーメンだったけど、すっごく美味しそうでしたねぇ…
しかも偶然の再会まで!
あの人、この人…再登場が楽しみな人がたくさん。
世良さんも早く帰ってきてほしいなぁ…

>
>僕も戦争のシーンがそろそろかなと思いながら毎日見ていました。子供たちに引き継いでいく義務が、我々世代には、必要です。
>
>前々の「花子とアン」もそうでしたが、辛い気分になってしまいますが、その分もうこれから、明るい昭和に向けて皆元気になってほしいばかりです。
>
>屋台で旧友に、出会えてよかったね^^
Posted by める at 2018年10月29日 18:53
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