2018年07月17日

誕生日は湯治三昧

私が生まれたのは梅雨明けの良く晴れた日だった。
小さな産院で産むにはリスクが高過ぎる未熟児だった。
故郷を離れた地での出産は心細く、
姑からは労われるどころか、
「こんな小さな赤ちゃん、産んだようでもなかったやろ?」と心無い言葉を投げつけられる始末。
それでも、結婚して4年。ようやく授かった赤ちゃんの誕生は嬉しかったと母は私の誕生日ごとに毎年、語って聞かせた。

正直、同じ話なので13才を過ぎる頃にはもう覚えてしまった。
思春期の頃は、母の話を面倒に思うこともあった。
しかし、話を要約しようとすると母は「話の腰を折るな。」激怒する。
台所で椅子に掛けながら、遠い昔に思いを馳せ、歌うように語る母の表情は今も目に浮かぶ。

今となっては、私が母にその話を語る。
毎年毎年、誕生日の朝に聞かされた意味を感じながら。

記憶も言葉も失った母の耳元で
「明日は私の誕生日。」と話しても理解は難しいだろうと思いながらも、
「鶴田さんの産院で。今日みたいに晴れた夏の日、梅雨明けの晴れた日に、お母さんが私を産んでくれた日。」
と言うと、病院の廊下の端の大きな窓から見える青空を眺めながら母が頷いた。

理解して頷いているかは確認のしようがないから、気持ちが通じたと、都合良く思っていよう。
左脳に重篤な脳梗塞がある母だが、右脳はそこそこいけるので、言語は通じにくくても雰囲気やイメージは伝わる。
空気は結構、読めるのだ。
胃ろう造設は延命措置…。無理なことをさせているようで、正しい選択だったのかとつらい気持ちも抱えていたが、車椅子に座り、窓から射し込む眩しい陽の光を見つめる母はまだ生き抜く気持ちを失っていない。


さて、誕生日当日。
急に主人が休日出勤になって約束のお出かけがキャンセルに。
一人、猛暑の中、家にこもって無為に過ごすのも寂しい。
どこへ行けば、一人の誕生日が寂しくないだろうか。

ケーキを一人で食べに行くのは、寂しさの骨頂。
それに食べに行っている場合ではない。痩せたいんでしょ?
ならば、今一番つらい五十肩を少しでも楽にするため、湯治に行けばよい。

以前、長女と行った京橋のホテルモントレ ラ・スール大阪 の16階にあるスパ・トリニテへはもう一度行きたいと思っていたのだ。

お湯に浸かり、ジャグジーでボコボコ~~~。
露天風呂で風に当たりながら、半身浴。

いったんバスローブを羽織りラウンジへ。
冷たいお水を頂いて、高性能のマッサージチェアで揉まれ、
その後は、ワンドリンクのサービスを受け、テレビも見ることができるラウンジチェアに寝そべって音楽番組を眺めつつ、うとうと。

温泉の火照りが身体から引いたら、また入浴。
これを3回繰り返したところで、主人からメールが。

天王寺で待ち合わせ、ビストロスタンドFUJIへ。
ビフカツ、カルパッチョ…美味しい!

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主人にスパがとても良かったと話したのだが、翌日、連れて行ってくれた温泉もかなり良かった。
二日連続で湯治三昧。
…続く。
posted by める at 19:35| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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