2018年04月14日

昨日、彼女と別れたんすよ

うちの母に続いて、義父も入院。
緊急搬送に付き添い、救急車に義母と共に同乗した。

義妹には三人の息子がおり、義父への見舞いには彼らが順に運転手になって車を出してくれる。
うちの娘たちと一緒におじいちゃん、おばあちゃんの家で泊まったり、お正月やお盆を一緒に過ごしたのは、彼らが幼稚園や小学生の頃、もう十数年前だ。

5才くらいでイメージが止まっていたやんちゃでどうしようもなかった男の子が
急に、ぬッとした金髪パーマの大柄なおにいちゃんになって
「あ、どうも。おひさしぶりです。」なんて言うものだから面食らってしまう。

もし道で擦れ違っても、この風体では到底気づけない。
義妹宅の最寄りの駅は私の勤務先と近いので、出くわすこともあるんじゃないかと思っていたが。

「あ~、でも俺、駅にはいないっすよ。学校行ってないんで。」

行ってないんか~い?!
行けよ!大学!!

「俺、浪人してるからみんな年下で酒も弱くて。
ちょっと感覚違うんですよね〜。」

なるほど。わからなくもないが…。

「でも引きこもってませんよ。バイト行ってます。
毎日。夜勤も続けて入れたりして。」

あらら、それじゃ昼夜逆転でますます大学に行けないわ…。

「卒業は大丈夫なんですよ、単位は取れてるんで。
卒業はしたいですね。」

してくれよ…卒業。
つか、就職は?!

「あー、俺、やりたいこととかないんですよねぇ〜…」

ないことはないやろ?!
何か好きなものとか、こだわりたいこととかないの?

「…ないっすねぇ〜
俺、何でも器用にできちゃうんですけど、特にできることってないんですよ。
長所がないって言うか。」

あるよ!長所は。

長所のない男だと自分で思ってちゃ、くすんでしまう。
プライドの高さはチラチラ見えるのに、一方で卑下するアンバランス。
学生の若さが眩しい。
でもそろそろ就活を意識する時期にこれではいけない。

君は人当たりも言葉も柔らかく、人の話も聞けて話がちゃんとできている。
営業だってできるよ。
長所はある。周りの友達に長所を聞いてごらん?

「長所って人に聞くもんすか?」

客観的な視点からの意見で見えてくる自分もある。
実際、就活が始まってから次女のゼミでは互いの長所を挙げていくという時間があったと言ってたし。

そんな話から次女の恋人の話をしたところで、急に

「俺、昨日、彼女と別れたんすよ。」

ハンドルを握り正面を向いたまま、何気ない口調で彼が言った。

あ…そうなん?
後部座席で隣に座る義母と二人、二の句が継げない。
……リアクションに困るわ!!

「ハハハ。まあ、いいんですけどね。
俺はいいんですけど、彼女がね、いいのかな?と。
これを逃したら後がないんじゃないかと。」

ほぉ?つまり、
俺以上の男はこの先、お前は見つけることができないぜ?宣言ね。
やっぱり高いな!プライド。

「年上なんすよ、彼女。23。
いいのかなぁ?って」

いや、あんた学生やん。
23で学生と付き合ってる方が、いいのかな?よ。

驚くほど赤裸々に語り始める彼の言葉の裏には、明らかな未練が見える。

「ケンカして。口喧嘩。
俺、口喧嘩しちゃうんですよね。
で、絶対こっちが正しい!ということを言ったんですよ。
そしたら、彼女がもういい…って言って…。
俺が正しいんですけどね。」

あー…。

「彼女…、頭、良くないんすよ。
だから言い返せない。」

良くないんかい…

「俺、いつも一回寝て起きたら
あー…しまったって思うんすよ。」

しまったって思ってるんや。

「思ってますねぇ…
で、またバイト先で会うことになるし。」

あ、それならまだどう転ぶかはわからないわよ。
顔を見たら…ね。違うよね、LINEのやり取りとは。

「そうっすね。」

相手より優位だと思うなら、余計、逃げ道を確保しておいてあげないと
窮鼠猫を噛む。
きっとそれ、彼もわかってるんだろうけど、ケンカに火がつくとブレーキが遅れるアンバランスさ。
病院まで送ってくれる車の運転は、とっても上手だったけどね。

21才の男の子の青さを目の当たりにした。
次の日、義母も
「自分のことをあんなにしゃべるなんて。」
と驚いていた。
きっと両親にも話していないだろう話。
彼女と別れて一人悶々としていた気持ちを吐き出せて、少しはスッキリできたかな?
posted by める at 11:23| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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