2017年03月12日

父の見舞い

入院している弟を見舞いに行きたいと父が言う。

84才の父、最近とみにちょ〜〜っとギリギリな感じになってきていて、
認知症とは診断されていないながらも(一応検査は受けた)
同じ話を繰り返すし、
こちらの話を正確に理解するのに時間がかかる。
日々、日常的に行っていることについては、まずまず大丈夫なのだが、
イレギュラーなことに、とても弱い。
即座には対処しきれなくなるようだ。

弟の手術・入院なんて、父にはイレギュラー中のイレギュラー!
もう大混乱をきたしていた。

実家へ行った時に台所の壁にかけてあるカレンダーへ入院・手術の日程を書き込んでおいたのだが、
それでも電話がかかってくる。

「あいつはもう入院したんか?」

…いや、まだだって。来週だって。


「あいつはどうなったんや?」

…いや、今日、手術日だけど午後からだから。まだだってば。


入院する日も、「俺も行くわ。」と言うので承知したのだが、一時間後にまた電話がかかってきて

「やっぱり無理や…。お母さんの介護もあるのに、俺が倒れるわけにいかん…。」

…いいってば。私が行くしー。無理しなくていいんだってば。


そんなふうに、ヤキモキして色々思い悩んでは電話をかけてくる父に振り回される。
そして手術の翌日、父がまた見舞いに行くと言い出した。

心底、心配しているのはわかるし、行きたい気持ちが募っているのもわかる。
じゃあ、私と駅で待ち合わせて一緒に行きましょう。
明日は私、仕事があるので午後からになるけど…

「夕方にお母さんがデイサービスから帰ってくるからな…。
朝から、俺、行ってくるわ!」

…えっ?一人で?!大丈夫なの?

「いくらなんでも行けるよ!警察病院やろ?駅で人に聞いて行くよ。」

ちょ!ちょっと!ちょっと〜〜〜
違うって!警察病院じゃないよ。別の病院名を言って人に聞いたら
全然、違うところへ案内されちゃうってー!
実際にあるからね?警察病院。

「あー ハハハ!そうか、そうか!大丈夫。わかってる。
え〜〜っと、どこやったっけ?…け…」

だからっっ!警察病院から離れてー!!

…結局、翌日は仕事を休ませてもらって、父に付き合った。

駅周辺も父のよく知っている昔の風景とはずいぶん様変わりしている。
病院の見舞客の受付場所も正面玄関とは別の場所。
時刻や氏名を受付票に記入するのも、高齢の父には骨が折れるはず。

もちろん、実際に一人で行ったなら行ったで、なんとか病室までたどり着いただろうとは思うが
すっかりヘトヘトになって倍以上の体力を消耗したことだろう。
やはり、一緒についていって良かった。
父も弟の顔を見ることができて、安心したようだった。

病院を出て、父が

「もう昼やろ?せっかくやから何かうまいもん食べて行こう。
お前、何でも好きなもの言ってくれ。」

豪快な口ぶりで言うので、移動距離の短いデパ地下の寿司店へ寄った。

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自腹では頼まないちょっとお高めのお寿司♪美味しかった〜


「滅多に外食はしないからな。こんな時でしか金を遣うこともないんや。」

なんて言うものだから、それじゃあ…と食後のコーヒーへも誘ってみた。


「お前、ケーキも頼めよ。遠慮するな。俺はコーヒーだけでいい。」

…あら、そお?じゃ、遠慮なく〜〜
店員さんがケーキをトレイに並べて「どれにしますか?」と見せてくれる。
久しぶりに来たら、マリオットホテルのケーキ、新作が並んでるじゃないの!
ここはやっぱ、この新作のケーキねっ!!

「俺、このイチゴのやつにするわ。」

えっ!?コーヒーだけって言うてたやん!?

「いや、美味しそうやなと思って。」

IMG_5321[1].jpg

マリオットホテル19階からの眺望にもケーキセットにも満足して、父は

「美味しいな。お母さんにも食べさせてやりたいな。また連れて来てくれよ。」

と繰り返し言っていた。介護を毎日がんばっている父の良い気晴らしになったようだ。
もちろん、連れて行きますよ。
都合と体調の良い時を見計らって、行きましょうよ。
posted by める at 00:01| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする